低用量ピルをきちんと知る
あなたに嬉しい低用量ピルのオマケ効果
最近、低用量ピルがクローズアップされている理由として、ピルの「副効用」が認められてきた点があげられます。副効用とは、本来の働きである「避妊」以外のオマケの効果のこと。実はこれが現代女性にはとても嬉しいメリットなのです。
 月経周期をコントロールできます。
恋愛、仕事、結婚。忙しい現代女性にとって、毎月の月経はからだと心の負担になります。大切な会議の日と月経のピークが重なりそう…。海外旅行中に月経が来るのかどうか、わからない…。「いっそ半年に1回になったら、どんなにラクかしら」なんてつい考えてしまいます。そこで低用量ピルの出番。ピルを飲んでいる間は、月経がきちんきちんと28日周期で訪れます。つまり1カ月の予定が格段に立てやすくなるということ。さらに、月経を長期間ずらしたい場合は、ホルモンが含まれている実薬を飲み続けるだけで月経を先送りすることができます。
 月経困難症が軽くなり、出血量が減少します。
月経が始まると吐き気がして何も食べられない。腰や下腹が痛くて寝込むこともある。こんな辛い症状に悩まされている女性は案外多いですね。普段の生活が妨げられるほど症状がひどい場合を「月経困難症」といいます。10代では子宮が未成熟であるために起こりやすいのですが、20代を過ぎても辛いようであれば、子宮内膜から分泌されるプロスタグランジンによるものと考えられます。プロスタグランジンは本来、出産時に陣痛を起こす物質で、臓器をぎゅっと収縮させる働きがあります。痙攣(けいれん)性の腹痛を、この低用量ピルの服用によって軽くすることができます。
出血量については2周期以上低用量ピルを飲み続けることによって、出血が43%減少したという報告があり、ピル・ユーザーからはナプキンの使用量が格段に減ったという話もよく耳にします。
 子宮内膜症の治療に役立ちます。
近年、子宮内膜症に悩まされる女性が増えてきました。子宮内膜症とは月経時にはがれ落ちる子宮内膜が子宮以外の場所で増殖し、月経のたびにそこで出血してしまう病気です。症状としては、月経痛がひどくなる、月経期間が長引く、月経時の出血量が多くなる、セックスのとき痛みがある、などがあげられます。進行すると月経以外のときも腰や下腹部が痛み、毎日の生活に支障が出てしまうことも。また子宮内膜症は不妊の原因になるといわれています。
子宮内膜症の治療は、間違った場所で増殖している組織を手術で取り除き、経過を見ながらホルモン剤で症状をコントロールすることが基本です。日本では性腺刺激ホルモンの分泌を強力に抑える内膜症治療用の薬が使われていますが、欧米ではまず、一相性の低用量ピルを使用するケースがほとんどです。低用量ピルの使用で専用薬による治療と同じくらい、月経時以外の腰や下腹部痛が軽くなったという報告や、病巣そのものに良い影響があったという報告もあります。子宮内膜症の治療薬として認可されている低容量ピルもありますので、かかりつけの医師に相談してみましょう。
 長期間飲むことで卵巣がん、子宮体がんのリスクが減ります。
長い間、低用量ピルは「がん」の発生を増加させるといわれてきました。しかし最近の研究で、がんの種類によってはむしろリスクを減らすことがわかっています。特に卵巣がんは低用量ピルを飲み続けている女性では、リスクが40〜50%低くなったという報告があります。また、死亡率も低用量ピルの服用期間が長引くにつれて低下し、さらに服用を中止してからも15年後まで卵巣がんのリスク低下効果が持続したそうです。卵巣がんは卵巣が毎月の破裂と修理を繰り返すことで生じるとされており、低用量ピルの服用により卵巣が「お休み」することで、結果的にがんの発症を抑制すると考えられています。
また子宮体がんのリスクは50%低下し、その効果も服用中止後10年まで持続することが裏付けられています。このほか大腸がんのリスクも抑えられることが確認されています。
 骨粗鬆症の予防ができます。
加齢とともに女性のQOL(生活の質:クオリティ・オブ・ライフ)を損なってしまう代表的な病気はなんでしょう? がん? 生活習慣病? いえいえ、実は骨粗鬆症なのです。寝たきり要因の第3位は骨粗鬆症による転倒骨折という報告もあります。女性はもともと骨が細く骨量が少ないことに加え、エストロゲンの分泌低下によって閉経後に急激に骨量が減るため,骨がスカスカになり骨折しやすくなってしまうのです。エストロゲン?とそこで気がついた方は低用量ピルについてだいぶ勉強されていますね。そう。低用量ピルを服用し続けることによってエストロゲンが補充されるので、骨密度の減少を抑える効果が期待できるのです。また40歳以上の女性が低用量ピルを服用すると、閉経後の大腿部骨折の発生を抑制するとされ、過去の服用経験者でも骨折が25%低下するという報告があります。

構成・文/井手ゆきえ

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