健康保険の基礎知識と成り立ち

仕事や年齢によって入る健康保険は変わりますいったい、何がどう違ってくるのでしょうか

08.10.23 更新

健康保険の基礎知識

医療機関で治療を受けたとき私たちは、窓口で、かかった医療費の一部(多くの人は3割に当たる額)を支払っています。残りの医療費はというと、公的医療保険でまかなわれるしくみです。
日本では、すべての国民が公的医療保険制度に加入し、その保険料を負担することが義務付けられています。この「国民皆保険制度」によって、誰もが、生まれてから死ぬまで、一部の医療費を負担するだけで医療を受けることができるのです。
誰もが一度は利用したことのあるこの制度。しかし、その種類やしくみについては意外と知られてないのではないでしょうか。
仕事によって加入する保険は変わります
公的医療保険には、大きく分けて、主に企業など組織に雇用されている人を対象とする被用者保険(職域によって分けられる)と、自営業の人や被用者保険の退職者などを対象とした国民健康保険(地域によって分けられる)があります。また、2008年4月からは、75歳以上の高齢者が加入する後期高齢者医療制度が新たにつくられました。
さらに細かく見ると、被用者保険については、本人が所属する職場によって、健康保険、共済組合などに分けられます。このように保険がたくさんの種類に分かれている背景には、公的医療保険制度がつくられてきた歴史が関係しています。
■加入する保険の種類
加入する保険の種類
■公的医療保険の種類と特徴
公的医療保険の種類と特徴
※1 2008年10月から、全国健康保険協会(協会けんぽ)に移行
※2 これらの人は、被用者保険や国民健康保険には加入できない
保険は違ってもサービス内容はほぼ同じ
このように公的医療保険は、国民健康保険(国保)と、健康保険〔組合管掌健康保険(組合健保)、政府管掌健康保険(政管健保)〕、船員保険、共済などの被用者保険に分かれています。また、退職者医療制度や前期高齢者医療制度は、退職者や74歳までの高齢者に適用されるものですが、そうした人たちも国保や被用者保険に加入しています。 それぞれの保険の加入者数は、2007年3月末現在で、市町村国保で約4700万人、政管健保は約3600万人、組合健保の約3000万人となっています(図1)。ただし、75歳以上の高齢者については、2008年度からは被用者保険や国保を抜け、後期高齢者医療制度という新しい保険に移りました。
なお、国保や組合健保、共済の下には、「○×健保組合」「○△市国保」など運営団体(保険者)がたくさんあり、保険者ごとに、保険料の徴収や医療費の支払いなどを行っています。そのため、保険者ごとに財政状況も異なります。
ただし、保険の種類、保険者が違っても、医療機関での窓口負担の割合(図2)など、受けられる医療サービスはほとんど一緒です(2008年8月現在)。各保険で基本的なサービス内容をそろえ、誰もがある程度公平に医療を受けられるようになっているのです。
一方、国保になく、被用者保険だけに盛り込まれているサービスには、病気などで仕事を休んでいる時の収入の一部を支給する傷病手当金などがあります。また、組合健保などでは、保険者ごとの運営になるので、財政的に余裕のある保険者は、より手厚いサービスを上乗せする場合もあります。
なお政管健保は、2008年10月から国(社会保険庁)の業務から切り離され、新たに設立される公法人「全国健康保険協会(協会けんぽ)」のもとに移りました。全国健康保険協会は、都道府県単位で運営されるしくみです。そのため、保険料率も都道府県単位で設定されることになり、2008年9月末までは全国一律の保険料率でしたが、その後は都道府県によって異なる保険料率が適用されていきます。
■医療保険制度の加入者数
医療保険制度の加入者数
■医療機関窓口での自己負担の割合
医療機関窓口での自己負担の割合
構成・文/利根川 恵子
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仕事や年齢によって入る健康保険は変わります。いったい、何がどう違ってくるのでしょうか