泌尿・生殖器の病気

【亀頭包皮炎[きとうほうひえん]】

幼児は包茎が普通で、そのために亀頭包皮炎を起こしやすく、小児科の外来でもしばしば見かけます。亀頭と包皮の間に恥垢[ちこう](かす)がたまり、そこに細菌感染が加わって起こります。子どものパンツに膿[うみ]がついていること、おしっこのとき痛がることから発見されます。局部が赤く腫[は]れたり、ただれたりして、かゆみや痛みを訴えます。

患部をきれいにし、包皮をめくって亀頭を出し、ただれたところへ抗生物質の軟膏[なんこう]をぬります。包皮を無理にめくってはいけません。亀頭を出せないときは、綿棒で薬をぬります。5〜7日ぐらいで治ります。

【停留精巣[ていりゆうせいそう](睾丸[こうがん])】

生まれつき、精巣(睾丸)が陰嚢[いんのう]の中に下りてこないで、腹腔[ふくくう]や鼠径部[そけいぶ]内にとどまっているものを停留精巣といいます。陰嚢に触って精巣が触れないことからもわかります(緊張したときに、精巣が陰嚢と鼠径部にかけて動くのは移動性精巣といい、特に心配いりません)。左右どちらかの陰嚢が極端に発育が悪いのを、お母さんがおむつを換えるときにたまたま見つけて、停留精巣が発見された例もあります。

腹腔内や鼠径部にとどまっていた精巣も、1〜2歳ごろには陰嚢の中へ自然に収まります。4歳ごろになっても自然に降下しないものは、手術が必要となります。

【陰嚢水腫[いんのうすいしゆ]】

片側あるいは両側の陰嚢に液体がたまって腫れて大きくなったものを陰嚢水腫といい、普通痛みはありません。鼠径ヘルニアや精巣腫瘍[せいそうしゆよう]などと区別しなければならないので、小児科で診察を受けてください。

【精巣回転症[せいそうかいてんしよう]】

突然、精巣の激しい痛みと、そのため脚を広げて前かがみになって歩く異常な姿勢をとるときは、精巣回転症(精索[せいさく]〈精巣〉捻転症[ねんてんしよう])が考えられます。陰嚢は赤く大きくなり、精巣に触ると強い痛みがあり、精巣も腫れています。吐き気や嘔吐[おうと]などを伴うこともあります。緊急に手術を必要とするので、ただちに泌尿器科のある病院へ行ってください。そう多くはありませんが、男の子はこういう病気があることを覚えておくと、手遅れにならないですみます。

【陰門腟炎[いんもんちつえん]】

女の子のパンツに膿がついているときは、この病気を疑います。ほとんど大腸菌で起こります。抗生物質の軟膏が効きますが、長びくときは、腟内異物の場合もあります。

【尿路感染症[にようろかんせんしよう]】

尿路感染症は、尿が腎臓[じんぞう]から尿道を通って体外に出るところまでに感染を起こすもので、腎盂炎[じんうえん]、腎盂腎炎[じんうじんえん]、膀胱炎[ぼうこうえん]なども含めた総称です。子どもに多い病気で、赤ちゃんでは男女差はあまりありませんが、幼児期以降になりますと尿路の構造上、女の子に多くなります。

新生児では元気がなくなり、哺乳力[ほにゆうりよく]が落ち、発熱や嘔吐、さらに黄疸[おうだん]などの症状が出ます。幼児は発熱、嘔吐、食欲不振や下痢、脱水症状などの全身症状が強くみられます。年長児になりますと、こうした症状のほかに、尿意をたびたびもよおすとか、排尿時の痛み、残尿感、腹痛などの局部の症状も出てきます。

(伊藤和雄)