鼠径ヘルニア[そけいへるにあ](嵌頓ヘルニア[かんとんへるにあ])

ヘルニアは腸の一部が下がってくるものです。

ヘルニアを起こす子では生後3カ月以内にみられることがもっとも多く、満1歳までに約80%が発症してきます。男の子は女の子の約3倍も多いといわれています。

男の子のヘルニアは、鼠径部の腫瘤[しゆりゆう](こぶ)で気がつきます。大きさは、親指の頭大ぐらいから陰嚢[いんのう]が腫[は]れるものまでさまざまです。女の子のヘルニアは、鼠径部から大陰唇にかけての軽い腫れがほとんどですので、見落とされる場合が少なくありません。

ふくらんでいる部分は、自然に引っ込んだり、押すと引っ込んだりします。泣いたり、排便時に腹圧がかかるとふくらみが出てきます。泣いたときなどに、鼠径部にふくらみが出ていないか、お母さんが気をつけて見ておくことが大切です。

場合によっては、小腸が脱出したまま元に戻らなくなることがあります。そのまま放置しておくと血行障害を起こして腫れあがります。この状態をヘルニアの嵌頓といいます。

赤ちゃんは激しく泣き、嘔吐、血便などもみられます。鼠径部の腫瘤は赤くかたくなり、押さえると痛がってなおさら泣きます。放置すると腐ってしまうので、一刻も早くかかりつけの医師の診察を受けないと危険です。このような場合、小児外科医により緊急手術が行われます。嵌頓を起こすのは、ほとんどが1歳未満です。