自閉症[じへいしよう]

1943年に、アメリカのレオ・カナー教授が報告したもので、最初は幼児期にみられる精神病のひとつと考えられていました。現在では、発達障害と考えられており、中枢神経機能の成熟の遅れによるもので、3歳までに症状がみられ、広い範囲に及ぶゆがんだ(アンバランスな)発達の遅れとされております。

自閉症の原因と症状


自閉症」という用語には「殻に閉じこもっている子ども」というイメージがあり、親子関係の葛藤[かつとう]が原因(神経症的な発症)と考えられていたこともありますが、現在では、その考え方は完全に否定されています。

脳機能の障害または成熟の遅れが主要な原因であることは間違いがないのですが、どんな種類の障害(例えば、感染症、外傷、血管障害、生化学的な代謝障害、遺伝子の異常など)か、脳のどの部位の障害か、どのくらいの広がりかなどはわかっておりません。乳幼児が現す特有な発達障害に対して、不安に満ちた養育がなされつづけますと典型的な自閉症状が形成されることになります。

年齢によって症状の現れ方が異なる

もっとも特徴的な症状は、3〜5歳ごろにみられる症状です。表情に乏しく、視線を合わせようとせず、ほかの子どもに無関心で遊びの輪に入ることができません。睡眠のリズムが不規則で、極度の偏食や、奇妙なこだわりがみられます。パターン化したもの(例えばテレビのコマーシャル、時刻表など)を記憶することは得意ですが、場面に合った行動を起こすことができず、思うようにならないとかんしゃくを起こすか、わけのわからないことを早口で、単調にしゃべり始めます。光や音に過敏ですが、名前を呼んでも反応せず、話し言葉の発達が遅れています。

奇妙なしぐさ(例えば耳をふさいだり、手をひらひらさせたり、くるくる回るなど)を頻発し、自傷行為(頭や顎[あご]をたたく、手をかむなど)がみられます(表19―9)。