不眠症(睡眠障害)

短い睡眠時間で心身の不調が生じる

健康なときの平均的な睡眠時間には、かなり大きな個人差がみられます。そこで、各個人の平常の睡眠時間と比べて、睡眠時間が著しく短くなり、そのことと関連した心身のさまざまな不調が生じている状態が、不眠症と呼ばれます。

不眠症状には4つのタイプがある

その場合の不眠症状としては、入眠困難[にゆうみんこんなん]、途中覚醒[とちゆうかくせい]、熟眠困難[じゆくみんこんなん]、早朝覚醒[そうちようかくせい]といった4つのタイプがあります。個々の不眠症の患者についてみると、このような不眠の4つのタイプのうちの2つ以上が同時にみられることもまれではありません。

その不眠のタイプをみきわめることは、不眠症の原因を診断し、治療方法を考えるうえで重要です。

持続期間で分類すると

持続期間からみで不眠症状は次のように分類されています。

一過性不眠(数日間)、短期不眠(1〜3週間)、持続性(長期)不眠(3週間以上)に分けられます。この分類も、不眠のタイプと同様に、不眠症の原因を診断するうえで役に立ちます。

一般的な傾向としては、一過性不眠や短期不眠で、入眠困難を特徴とする不眠は、多くの場合、急激な環境の変化や心理的ショックを受けるできごとが原因となっている適応反応に伴う不眠です。持続の短い不眠がきっかけとなって、患者の過度の不安な気持ちが重なって、持続性不眠に移行する場合もあります。

夜間の入眠はよいのに、途中覚醒[かくせい]が多い持続性不眠は、睡眠時無呼吸症候群による不眠や、高齢者の不眠によくみられる特徴です(図19―6)。

睡眠薬は補助的治療法


不眠症の治療には、不眠の原因を取り除き、それと併せて、昼夜での睡眠と覚醒[かくせい]のリズムをととのえることが重要です。睡眠薬の使用は補助的な治療方法と考えておくべきです。

睡眠薬を使用した場合には、ぐっすりとよく眠れる状態がつづくようになったら、徐々に使用量を減らしてから、中止するようにするべきです。

睡眠薬を長期間にわたって漫然と服用しつづけないようにすることが重要です。これは、睡眠薬依存をつくらないためです。