無月経

性機能が成熟する年齢(18歳)になっても月経が発来しないもの(原発性無月経)や、先行する月経が順調であるか否かを問わず、ある時期から月経をみなくなったもの(続発性無月経)を無月経といいます。

そこで、18歳になっても初経が発来しない場合は、なんらかの病的原因が考えられ、以後月経が発来する可能性は少ないので、原発性無月経といいます。時に18歳以後でも自然に月経が発来する場合があり、これを晩発初経[ばんぱつしよけい]といいますが、きわめてまれと考えてよいでしょう。

見せかけの無月経


卵巣、子宮などは正常に発達し、月経も起きているのに、月経血の流出路の障害のために月経がみられないものです。女子中学生などで、毎月下腹部痛や膨満感があるのに、月経がみられないという場合が、典型的症状です。

原発性無月経


性中枢や内分泌系[ないぶんぴつけい]の異常が原因

原発性無月経の約半分は生まれつきの卵巣形成障害[らんそうけいせいしようがい]による卵巣性無月経(卵巣が異常なための無月経)です。ごくまれに精巣性女性化症[せいそうせいじよせいかしよう](遺伝学的には男性で精巣ももっているが、外性器や体形が女性様に分化しているため女性として成育している)もあります。

これを除く残りの多くは、卵巣・子宮を制御する性中枢の異常や、副腎[ふくじん]・甲状腺[こうじようせん]などの内分泌系の異常によるもので、早期に診断し治療すれば、将来の妊娠・分娩[ぶんべん]も可能になります。

続発性無月経


ホルモン分泌機能[ぶんぴつきのう]の障害で起こる

続発性無月経無月経の大部分を占めます。その中でも頻度の高いものは、視床下部機能[ししようかぶきのう]が障害された結果、ゴナドトロピンの分泌異常を起こして無月経になるものです。全身衰弱による生理機能低下や、心因性要因(神経性食思不振症[しんけいせいしよくしふしんしよう]も含まれます)による無月経も視床下部性です。

このほか、下垂体[かすいたい]や卵巣の機能異常や腫瘍(プロラクチン産生下垂体腫瘍)によるもの、子宮内膜の炎症や外傷によって子宮内膜の機能の欠損、子宮内腔[しきゆうないくう]の癒着[ゆちやく]などによるものがみられます。

排卵障害の無月経は治療可能

排卵障害による無月経は、ホルモン療法や排卵誘発療法の著しい進歩により大部分は治療可能で、将来の妊娠・分娩も期待できます。

続発性無月経を長期間放置すると、第I度無月経が第II度無月経に移行して重症化し、排卵誘発療法がより困難になる場合もあります。早期診断・治療の原則を忘れないでください。