ED

増加している器質的ED

今までは、EDは性的衝動に始まり射精に終わる一連の性的行為のうち、いずれかの部分に障害があって完全な性交ができないことを総称していました。しかし最近では、男性の陰茎[いんけい]が十分に勃起[ぼつき]できないために女性の腟内[ちつない]に挿入できないか、あるいはたとえ挿入できたとしても、これを維持できない状態を呼ぶようになってきました。

EDには大きく分けて3つの種類があります。ひとつは器質的ED、次に機能的EDと混合型です。

器質的EDは内分泌疾患、神経疾患あるいは骨盤のがんの手術後などのように、なんらかの器質的な原因によってEDになっているものです。

機能的EDとは、勃起機能をもっているのにもかかわらず、EDである場合で、精神的ショックあるいは新婚EDのような心因性の原因によるものです。

混合型とは糖尿病とかお年寄りのEDのように器質的と機能的の両方の要素を含んでいるものの総称です。

治療は原因が多岐にわたるため複雑

機能的EDの場合は、環境の調整、性教育のほか、専門家によるカウンセリングが必要です。

混合型のEDに効く特効薬はありません。逆に、習慣的に内服している薬剤がEDの原因になっていることもあるので、調査し、考えられる薬剤の服用を中止します。特に降圧薬、睡眠薬、ホルモン薬の中にはEDを誘発するものもあるので注意が必要です。

深酒、過労を禁止し、規則正しい生活態度が望ましいことはいうまでもありません。一般にビタミンB剤、少量の鎮静薬は勃起[ぼつき]能力を高める作用がありますが、これも特効薬ではありません。男性ホルモン薬を使用する場合は特に医師の指導のもとで行うことが必要です。

海綿体機能が正常なEDには特殊な血管拡張薬の局所注射はよく効きますが、これも専門医の指導で行うべきでしょう。

最近開発されたクエン酸シルデナフィルや塩酸バルデナフィルはきわめて有用性の高い薬剤で、一部の器質的EDを除いて多くのEDに効果があります。薬理的に、勃起のメカニズムの論理にあった薬剤です。一般には安全性の高い薬剤といえますが、使用にあたっては必ず医師の指導を受けるべきです。そのほか、特殊な補助具も開発され、将来大いに期待がもてる時代に入りました。

(岡本重禮)