尿路結石症

結石の位置によって名称が異なる

結石のある位置によって、腎盂[じんう]や腎杯[じんぱい]にあれば腎臓結石、尿管に下がってくれば尿管結石、膀胱内[ぼうこうない]にあれば膀胱結石、尿道に引っかかっていれば尿道結石と呼び、これらを総称して尿路結石といいます。また、腎杯、腎盂を鋳型状[いがたじよう]に占めて、まるでサンゴのような形をした腎臓内の大きな結石をサンゴ状結石と呼びます。

1995年に発表された日本での尿路結石の全国規模の調査結果によると、約15人に1人が一生のうち一度は結石に悩まされるというくらい、尿路結石は頻度の高い病気なのです。男性が女性の2倍以上を占め、青年期から壮年期にかけて多く、子どもには比較的まれな病気です。

症状は背部やわき腹の激痛と血尿

痛みの程度や性質はいろいろ違いがありますが、その典型的な痛みは疝痛[せんつう]です(図13―11)。

疝痛発作に非ステロイド系消炎鎮痛薬

疝痛発作は“痛みの王様”(king of pain)といわれるほど、強い痛みなので、一度経験すれば決して忘れられないものです。一般には、非ステロイド系消炎鎮痛薬の坐薬[ざやく]が有効です。1回の発作が半日以上もつづくことはなく、必ず波があり、発作がないときにはまったく痛みがありません。しかし時には、鎮痛薬の注射や硬膜外麻酔が必要になることもあります。

保存的療法をしながら自然排出を待つ

長径が5mm以下の結石は自然排石可能なので、まずは保存的に経過をみるようにします。保存的治療法とはとりあえずは水分を十分に摂取(1日2000mL以上)して、痛みのないときには、縄跳びなどで十分にからだを動かすようにしてもらいます。ふだんから運動をしていない人の場合は、すぐに車やエレベーターに乗らないで、なるべく歩くように心がけてください。10mm以上の結石の自然排出はかなり難しいようです。

内視鏡や衝撃波により結石を破砕

一般的には5mm以下の結石であれば、以上のような保存的療法をつづけているうちに、数回の疝痛[せんつう]発作後に自然排出するものが大部分です。しかし結石の位置が変わらず、腎盂腎炎[じんうじんえん]を合併したり、上部尿路閉塞(水腎症[すいじんしよう])が持続したり、腎機能低下が懸念される場合などでは、早急に積極的治療法を選ばなければなりません。

【体外衝撃波結石破砕術】

からだの外からの衝撃波発生装置の操作で、結石を壊してしまうという夢のような治療法で、ドイツで開発され1984年からは日本でも治療が開始されました。

1988年からは健康保険の適用となり、現在では多くの施設でこの治療が行われており、良好な結果が得られています。

使われる装置によっては麻酔が必要であったり、尿管にある結石の治療がしにくいという違いがあります。また、2〜3cm以上の結石やサンゴ状結石などの大きな結石の場合には治療をくり返したり、内視鏡操作を補助的に行わなければならないことが多くなります。一般に2〜3cm以下の結石であれば、破砕された結石の大半は3〜10日で排出されますが、X線写真を撮ってみて完全に結石がなくなるには1〜3カ月かかります。

(真下節夫)