片頭痛(血管性片頭痛)

片側(時に両側)性で、ズキズキといった拍動性の頭痛です。歩行などの日常的な動作でも頭痛は増悪します。

脳の周りの血管がけいれんする

血管性頭痛とも呼ばれ、脳の血管の一部にけいれんが起こり、血液の流れが悪くなり、その反動で血管が広がるときに痛みが起こるとされています。何か片頭痛[へんずつう]の誘因*となるものがあって頭痛発作が促されることが多いようです(図9―15)。

片頭痛の誘因

睡眠不足、ストレス、生理、騒音、人込み、いやなにおい、チョコレート、チーズ、赤ワインなどが誘発因子になることがあり、この誘因を避けることが予防の第一です。

若い女性に多い片頭痛[へんずつう]

片頭痛は若い女性に多くみられ、母親譲りの場合もあります。頭痛発作の前に、目の前がチカチカする、目が見えなくなる、目の動きが悪くなる、手足が一時的に麻痺[まひ]するなどの前兆が、ある場合と、ない場合があります。

発作中は吐き気があったり、実際に吐くこともあるので、脳腫瘍[のうしゆよう]と間違えて心配したりすることもあるかもしれません。

しかし、片頭痛の場合は一定の時間が過ぎると(特にひと眠りすると)症状は自然に治まります。こうした発作は、一度だけのこともありますが、数カ月、数日おきに起こる人もあり、時には社会生活に支障をきたすほどのこともあります。

片頭痛[へんずつう]の治療

軽症の場合は、消炎鎮痛薬や従来から使用されているエルゴタミン製剤が有効です。しかし多くの場合、神経伝達物質のひとつであるセロトニンという物質の受容体(脳の中にあって効果を発揮する部位)にはたらくトリプタンという薬がもっとも有効です。この薬は、頭痛発作時の三叉神経・血管系の興奮による血管拡張を抑えるといわれています。

頭痛が起きたらなるべく早く服用することが大切です。症状として吐き気を伴う場合は、皮下注射や点鼻薬(ともにスマトリプタン)を使用するとよいでしょう。スマトリプタンの経口薬は、効きめが現れるのに30分ほどかかりますが、皮下注射では10分、点鼻薬では15分ほどで効いてきます。無効の人にはエルゴタミン製剤または、消炎鎮痛薬の坐薬[ざやく]を吐き気止めと併用します。

頭痛の頻度の高い人には、予防薬として、塩酸ロメリジンやβ[ベータ]-遮断薬といった高血圧の薬や、抗てんかん薬、抗うつ薬などが有効な場合があります。それぞれ副作用もありますから、専門医によく説明を受けて服薬することが大切です。