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健康診断で「コレステロール値が高めです」と言われたことはありませんか? コレステロールは食べ物から吸収されたり、肝臓で作られたりする脂質の一種です。成人の体にあるコレステロールの量は約100~200gで、脳、神経、筋肉、血液、皮膚、内臓などに存在します。コレステロールは細胞膜の成分や体を動かすホルモンの生成に関係しているほか、食べ物を消化吸収するのに欠かせない胆汁酸の原料にもなる大切なものです。 コレステロールが不足すると貧血や、ホルモンバランスの乱れから生じる不調などを起こしやすくなりますが「現代人の一般的な食生活をしていれば、極端にコレステロールが不足することはありません。むしろ気をつけたいのは、食事から摂るコレステロールが過多にならないことです」と話す東京医科歯科大学教授の吉田雅幸さん。
血液中にコレステロールが増え過ぎて脂質異常症(高脂血症)という症状になると、コレステロールが血管壁(血管の内側の壁)に沈着して血液の通り道が狭くなり血流が悪化し、高血圧や動脈硬化(血管が硬くなった状態)を引き起こします。高脂血症のガイドラインは総コレステロールが220mg/dl以上、LDL(悪玉)コレステロールが140mg/dl以上、(善玉)コレステロールが40mg/dl未満、中性脂肪が150mg/dl以上であれば、「異常あり」と診断されます。LDLコレステロールは細胞にコレステロールを運ぶ役割がありますが、必要以上に増え過ぎると血管壁にコレステロールがへばりついてコブになり、血管が詰まって心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなるために「悪玉コレステロール」と呼ばれています。 一方、HDLコレステロールは、余分なコレステロールを血管から運び出す「お掃除役」として働くために「善玉コレステロール」と呼ばれます。
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コレステロールが増えすぎると血管壁を汚したり、コブのようにへばりついて血流が悪くなることも…
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