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2007年に厚生労働省が実施した「国民生活基礎調査」の中で、「過去1年間に不調を感じたことがある症状」を尋ねたところ、35~64歳の女性では「肩こり」がトップでした。一般的な肩こりは、肩や首の筋肉に負担がかかる姿勢をとったり、血行が悪くなることで「こり」を感じるものを指します。過労、運動不足、睡眠不足、不良姿勢、寒冷、加齢などが原因として挙げられます。
注意したいのは、肩こりがほかの病気のサインかもしれない場合。整形外科領域では頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア、腱板断裂、五十肩、胸郭出口症候群、内科領域では、高血圧、狭心症、肝胆道疾患、膵臓疾患、頭や顔面領域では、片頭痛、顎関節症、メニエール病、眼精疲労、緑内障、そのほか更年期障害や自律神経失調症、うつ病なども考えられます。肩こりの人は肩の筋肉が硬く、血流量の低下も見られ、特に背中の僧帽(そうぼう)筋という筋肉の循環障害が見られることが多いそうです。
「円背姿勢を保持したまま、頭や腕を支えて行うパソコン作業や、重いものを持つことが習慣となっている職業の人は、僧帽筋を中心とした肩や首の筋肉に負担をかけ、肩こりになりやすいと言えます」と話すのは、大阪大学大学院医学系研究科漢方医学寄附講座助教の岸田友紀さん。また加齢によって、関節の軟骨、靭帯、腱などが老化し、肩の関節周囲に炎症が及ぶと、肩の動きが悪くなり、それを補うために筋肉に余分な負担がかかり、肩こりを起こしやすくなります。 |
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女性の不調トップの肩こりには、高血圧、狭心症、緑内障、顎関節症、片頭痛などさまざまな病気が隠れていることもあるので、気になる症状があれば病院で相談しましょう |
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