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今週のトピックスは・・・ 2008.04.17

コンタクトレンズ、正しく使っていますか?
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10代、20代の若者に角膜感染症が増加中
2003年に日本コンタクトレンズ協議会が行った調査によると、コンタクトレンズ使用者の10人に1人は、目に何らかのトラブルが生じていることがわかりました。いくら改良が進んでいるとはいえ、コンタクトレンズは角膜にとって異物、障害物です。コンタクトレンズの装着時間を守らずに長時間使い続けると、ドライアイや酸素不足になり、角膜上皮障害や角膜血管新生などの症状が起こる恐れがあります。
また、レンズが汚れたまま使っていると、角膜感染症やアレルギーが生じたり、フィッティングの悪いレンズを使い続けると角膜を傷つけたりすることもあります。このようなトラブルの中で特に問題なのが、コンタクトレンズに付着した菌による角膜感染症。2003年、全国の24施設で感染性角膜炎を起こした菌を調べてみると、人の体に付着している常在細菌(グラム陽性球菌など)、水や土の中にいる環境細菌(グラム陰性桿菌など)、真菌、アカントアメーバなどが確認されました。また、同じ調査で、10代、20代の角膜感染症患者の大半がコンタクトレンズ装用者である事実も明らかになりました。
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セラチア菌という環境菌による感染例。レンズケース内で増殖し、レンズに付着して感染症を起こす。角膜中央に淡い輪状の浸潤が認められる。
レンズケースの汚れにも要注意
  では、なぜコンタクトレンズ装用者にこのような角膜感染症が多発するのでしょうか? 2週間交換型のソフトレンズを装用していた23歳男性の場合、こすり洗いなど、レンズの手入れをほとんどせずに使用しているうちに、角膜の中央部分にセラチア菌による感染が生じ、目が見えにくくなってしまいました。 レンズケースにセラチア菌がはびこっていたのです。
また、1日使い捨てのソフトレンズを装用していた19歳女性の場合、寝る時も外さずに何日も装用したことで、角膜の中央に表皮ブドウ球菌による浸潤が発生しました。誤った装用によって、目の周囲の常在菌が角膜にもぐりこんできたのです。
同じく、1日使い捨てのソフトレンズを装用していた26歳男性の場合には、なんと捨てずに水道水でケースに保存し数日間使用するということを繰り返し、ついには、水中などにいるアカントアメーバによる角膜炎を起こしてしまいました。アカントアメーバは特に薬が効きにくいため、1カ月以上の入院を余儀なくされることもあります。
いずれの場合でも、発見が遅れると治療期間が長くなったり、失明や角膜移植に至ることもあります。このようなことにならないためにも、コンタクトレンズの装用時間をしっかりと守るだけでなく、取り扱い方法に従って、レンズやレンズケースを清潔に保つことが重要です。コンタクトレンズをこすり洗いする時や保存する時には専用の洗浄液を使いましょう。絶対に水道水を使ってはいけません。そして、たとえ自覚症状がなくても眼科専門医で定期的に目の検査をしてもらいましょう。もし痛みなどの自覚症状がある場合はすぐにレンズ装用を中止し、眼科専門医を受診してください。
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病気事典細菌性角膜潰瘍 (さいきんせいかくまくかいよう)
◆お話を伺ったのは…  大橋 裕一(おおはし・ゆういち)さん
小野寺昭一(おのでら・しょういち)さん

財団法人日本眼科学会常務理事 愛媛大学医学系大学院視機能外科学教授
1975年大阪大学医学部卒業。80年同大学眼科助手を経て82年より米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校、プロクター眼研究所で研究に従事。帰国後は関西労災病院眼科部長、大阪大学眼科講師を経て現在に至る。専門は眼感染症と角結膜疾患、角膜移植および屈折矯正手術。


取材・文/宇山恵子

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