![]() |
![]() |
![]() |
|
ひとくちに「病院」といっても、その種類はさまざまです。国では1992年以来、医療機関を機能別に体系化することに取り組んでいます。この医療政策には、それぞれの医療機関に明確な役割と機能を持たせることによって人々の大病院志向に歯止めをかけ、患者一人ひとりの症状に合った医療機関で、適切な医療を受けられる仕組みを作ろうという狙いがあります。そのため、医療機関では以前よりもはっきりと自分たちの役割と機能を打ち出し始めています。このような動きを知らずに医療機関にかかってしまうと、適切な医療が受けられないことにもつながるおそれがあります。 自分の病状や状況に合った医療機関を上手に選択するためにも、まず「病院のしくみと役」をよく理解することが賢い患者への第一歩といえるでしょう。そのうえで、自分が暮らす地域にはどのような機能を持つ医療機関があるのかを、きちんと把握しておくことが大切です。 |
|
![]() |
|||||||||||
| 私たちがふだん何気なく利用している医療機関は、「診療所」と「病院」に大別されます。診療所とは、ベッド数が19床以下の医療機関のことです。この中には「医院」や「クリニック」と称されるものも含みます。さらに診療所は、入院設備のある「有床診療所」(原則として48時間以内の短期入院のみ)と入院設備のない「無床診療所」に分けられます。 なかには専門医療を提供するところもありますが、大半の診療所は1次医療(プライマリケア・初期診療)の役割を担い、風邪や腹痛など日常的な病気の外来診療を中心に行っています。そして、専門的な治療が必要になった場合には、検査や入院のできる病院に患者を紹介します。このように患者の病状に合わせて診療所と病院が協力して診療にあたることを「病診連携」といいます。 2006年4月には、医師や看護師が24時間対応で往診してくれる「在宅療養支援診療所」が新設されました。2006年5月1日現在で、在宅療養支援診療所の届出を行った診療所数は8,895件です。入院医療から在宅医療への大転換が進むなか、診療所には在宅医療の担い手としての期待も高まっています。 |
|||||||||||
|
|||||||||||
![]() |
|||||||||||||
| 「病院」とはベッド数が20床以上の医療機関のことをいいます。病院の大きな特徴は、検査や入院などの医療設備があることです。診療所では対応しきれない患者を受け入れ、必要な検査や治療、手術などを行います。 “何でも揃っている病院のほうが安心だ”と、風邪などの軽い病気でも大病院を受診する傾向が続いていますが、本来、病院は入院患者の治療をメインに行う施設であり、診療所の後方支援(2次医療)としての役割を担っています。 一方、病床(ベッド)にもいろいろな種類と役割があります(表参照)。 | |||||||||||||
|
|||||||||||||
|
国では医療機関の機能分化を推進していることから、2000年に治療を目的とする「一般病床」と療養を目的とする「療養病床」を新たに追加分類することを決め、それぞれの医療機関は、2003年8月までにどちらの病床を選択するのかを届け出なければなりませんでした。その結果、全体で約126万床あった病床のうち73%が一般病床に、27%が療養病床になりました。 また、同年(2000年)には「回復期リハビリ病棟」という新しい枠組みも作られました。これは、機能訓練を必要とする患者に十分なリハビリが行えるように設定された病棟です。脳血管障害、大腿骨骨折、手術や肺炎などによる安静が招いた機能低下、脊髄損傷、股関節・筋・靱帯損傷の患者が対象となり、発症後2カ月以内などの条件があります。入院期間も脳血管系疾患が150日、骨折が90日以内などと上限が決まっています。回復期リハビリ病棟は2006年4月現在、全国に580施設あります。 それぞれの病院では、さまざまな機能を持つ病床をいくつか組み合わせながら、地域のニーズに合わせた診療体制を作り上げているのです。 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
![]() |
||||||||||||||
| 通常の診療を行っている病院も、機能別に見ると一般病院、地域医療支援病院、特定機能病院に大きく分けることができます。 大多数を占める「一般病院」は病床数の規模により診療内容に多少の違いが見られます。200床以上の総合病院クラスになると、発症直後から安定期までの急性期医療を中心に行っていますが、100床前後の中小病院になると、症状は安定しているけれど、十分に治りきっていない慢性期の患者の診療を中心にしている病院の割合が多いようです。 200床以上の総合病院クラスの中には、「地域医療支援病院」の承認を受けているところもあります。地域医療支援病院とは、一般病院と特定機能病院の中間に位置し、地域の診療所や中小病院からの紹介患者および救急患者を主に診療する医療機関のことです。地域の医療機関との間で医療機器の共同利用を行ったり、地域の医療従事者の資質向上のための研修を実施したりすることも義務付けられており、地域医療の中核施設としての役割が求められています。従来の総合病院に代わる新たな制度として1997年に創設され、2006年9月現在、全国に124カ所の地域医療支援病院があります。 高度先進医療を積極的に提供するのは「特定機能病院」といわれる医療機関です。大学病院や国立がんセンター、国立循環器病センターなどが国からの条件付きで承認されています。これらは、いわゆる「3次医療」にあたります。2006年10月現在、全国に80カ所あります。 |
||||||||||||||
|
||||||||||||||
|
||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||
| 一方、国では診療体制の条件などを設定したうえで、特定の分野ごとに地域医療の核となる医療機関を指定しています。その主な種類と役割は以下の表のとおりです。一般病院、地域医療支援病院、特定機能病院などが、それぞれの地域の特性に応じて、必要な指定を受けています。 一定の診療体制を備えた病院でなければ指定を認められないことから、そこで行われている診療の質をある程度保証する目安になるともいえます。急病や重い病気にかかったときに慌てないためにも、利用する可能性の高い医療機関がどのような指定を受けているのか(機能を備えているか)を確認しておくことが重要でしょう。多くの医療機関では、病院の玄関やロビー付近に指定の一覧を掲示しているほか、ホームページに「病院の概要」として掲載している施設も少なくありません。 ただし、がん拠点病院のように新しく始まった制度の中には、整備が十分に進んでいないところも見られます。つまり、がん拠点病院といってもがん診療の質が優れているとは限らない場合もあるのです。指定病院にはこのような面があることも知っておきましょう。 | |||||||||||||
|
|||||||||||||



ひとくちに「病院」といっても、その種類はさまざまです。国では1992年以来、医療機関を機能別に体系化することに取り組んでいます。この医療政策には、それぞれの医療機関に明確な役割と機能を持たせることによって人々の大病院志向に歯止めをかけ、患者一人ひとりの症状に合った医療機関で、適切な医療を受けられる仕組みを作ろうという狙いがあります。





