ノロウイルス食中毒
ノロウイルス自体はありふれたウイルスで、食品を媒介とする食中毒と、人から人にうつる感染症の2つの顔をもっています。食中毒は、ここ数年、年に250件前後、患者数にして約1万人報告されており、細菌性のカンピロバクターやサルモネラに次いで多く、発症人数では第1位になっています。
学校給食などによるものが多い
食品は生ガキによるものが多いと考えられていましたが、最近では学校給食などが原因で起こる食中毒の中にこのウイルスによるものがあることがわかってきました。この場合は、下痢中、または下痢が治った後の職員が調理に関係している二次感染が多いという報告があります。
感染性胃腸炎の原因にもなる
ノロウイルスは人から人への感染症では、おもに感染性胃腸炎の原因にもなります。新感染症法で5類感染症のひとつに分類され、全国の小児科3000カ所で定点調査、流行の動向が監視されています。2004年、広島県某市の特別養護老人ホームをはじめ各地の福祉施設などで高齢者の集団感染が起こり、ノロウイルスの存在が注目を集めた経緯があります。
このようにノロウイルスによる胃腸炎は食中毒として起こるほかに、医療機関や老人施設などにおける接触感染によっても起こり、最近は後者の広がり方が問題視されています。対策は食品を介するものは加熱を十分にすること(カキフライでも加熱が不十分だと起こるという報告があります)。接触感染対策には下痢便、吐物の処理にはゴム手袋をつけるか、流水と石けんで念入りに手洗いをすること、または次亜塩素酸ナトリウムで消毒することです。アルコール消毒は無効です。
症状は軽く無治療で治ることが多い
潜伏期間は30時間程度です。症状は下痢や嘔吐[おうと]が中心で、腹痛や発熱を伴うこともありますが、1日程度で無治療のうちに治ることが多いものです。感染しても発症しない人が2〜3割います。
(阪上賀洋)
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