網膜剥離[もうまくはくり]

網膜に裂孔(裂けめや丸い孔[あな])ができて、そこから網膜の下に水が入り込んで、網膜が眼底からはがれる病気です(写真17―9)。正確には、裂孔原性網膜剥離[れつこうげんせいもうまくはくり]といいます。

目の打撲など外傷によっても起こりますが、たいていは誘因なく起こります。発生頻度は年に5000〜1万人に1人くらいで、全ての年代に起こりますが50〜60代にピークがあります。近視の強い人ほど頻度は高くなります。

網膜剥離は基本的にその発症を予想したり、予防したりするのは困難です。発症したら早期の手術が最善なので、網膜剥離を起こしてしまったならば、できるだけ早く手術する必要があります。

放っておくと網膜の機能はどんどん低下していきます。

以前は恐ろしい病気といわれていましたが、現在では手術*の進歩でほとんどが治るようになっています。

(河野眞一郎)

網膜剥離の手術

眼底検査で、網膜裂孔や網膜剥離が見つかったら、網膜の孔をふさぎ、はがれた網膜を元に復位させます。

(1)網膜剥離がない場合やごく軽い場合は、レーザー光で孔の周りを凝固して孔をふさぎます。

(2)網膜剥離がある場合は、孔の周りを高周波の電流で焼くか(ジアテルミー凝固)、低温のチップで凝固させ(冷凍凝固)、孔をふさぎます。網膜の下にたまった液は眼球の外側から抜きます。眼球の外からシリコンのスポンジやバンドを縫いつけて眼球の壁を陥没させ、孔をふさぎます。

(3)治りにくい網膜剥離の場合は、硝子体手術といって、眼球の内側からの手術も行われています。