皮膚そう痒症[ひふそうようしよう]

皮膚に何もできていないのにかゆい

かゆみを訴えるのに、皮膚には病気(皮疹[ひしん])がない場合を、皮膚そう痒症といいます。しかし、実際には、かゆみのためひっかき傷をつくったり、湿疹化したり、あるいは傷が化膿するなど、皮膚の変化を起こすことがよくあります。

皮膚そう痒症には、全身のあちこちがかゆくなるものと、皮膚のうちある一部(外陰部や肛門の周囲に多い)がかゆくなるものとがあります。このようなかゆみのあるときは、まずその原因として全身性の病気を考え、必要な検査を行うことが大切です。

原因となる病気があるときはその治療が優先します。

原因がはっきりしないときは、かゆみを起こさないような日常生活での注意が必要です。それによりよくなることもしばしばみられます。

かゆみの原因


限局性皮膚そう痒症[げんきよくせいひふそうようしよう]

外陰部のかゆみ(陰部そう痒症)や肛門[こうもん]のまわりのかゆみ(肛門そう痒症)では、真菌[しんきん]や寄生虫などの感染によることが多いようです。脱肛[だつこう]、痔[じ]、前立腺肥大[ぜんりつせんひだい]などの病気や、便秘、下痢、多汗なども原因となります。また、心因的なことで限局性のかゆみが起こることもあります。

全身性皮膚そう痒症[ぜんしんせいひふそうようしよう]

全身のあちこちがかゆくなるという人の10〜50%に、内臓の病気が隠れているといわれます。甲状腺機能低下症[こうじようせんきのうていかしよう]や慢性の腎臓病、透析治療を受けている人のほとんどに現れています。また、肝臓病、血液の病気、糖尿病、甲状腺機能亢進症[こうじようせんきのうこうしんしよう]の人にもかゆみがみられます。

鎮痛・解熱薬などの中には、皮膚のかゆみを起こすものがあります。

妊娠後期にもかゆみが起こることがあります。

精神的ストレス、不安、恐怖、緊張などにより、からだがかゆくなることもあります。あるいは、ノイローゼでもかゆみを訴えます。

環境因子、例えば高温、多湿などの環境によっても、かゆみが生じます。

原因病の治療と、かゆみに薬物療法

【原因の治療あるいは除去】

全身的な病気が見つかってその治療を始めても、なかなか完治しないで、かゆみがつづくこともまれではありません。そのような場合は、かゆみに対する対症的な薬物療法、および日常生活指導をよく守ることが必要です。

【薬物療法】

かゆみを止める内服あるいは外用薬や、気持ちを安定させる内服薬が使われます。

また、湿疹になっていれば副腎皮質ホルモン外用薬も使います。

【光線療法】

慢性の腎臓病や透析治療中のかゆみに対して光線(中波長紫外線:UVB)が効果的といわれています。主治医とよく相談し、積極的な日光浴も試みるとよいでしょう。