発作性頻脈症

安静時に突然、脈が非常に増える

発作性頻拍症ともいいます。突然に心臓の拍動(脈拍として触れる)が速くなり、しばらくつづいた後で、突然にまた元の正常な心拍動に戻るものです。これには、原因となる異常刺激が、心房あるいは房室接合部から出る上室性頻拍症と、心室から出る心室性頻拍症の2つがあります。

【上室性頻拍症】

1分間に140〜220の心拍数となります。一般には、WPW症候群[ダブリユーピーダブリユーしようこうぐん](→503頁)に多く合併します。発作が起こると動悸[どうき]が激しくなり、胸部不快感、不安感を覚えますが、発作そのものが、すぐ命にかかわるものではありません。心臓病のない日ごろ健康な人でも、階段の駆け上りざま、ゴルフクラブを振ったとたんなど、ちょっとしたきっかけで起こることがあります。

【上室性頻拍発作時の対処法】

自分でできることは、しゃっくりを止めるときのように息をできるだけ長く止めて気張る、冷水に顔を入れて息をこらえ、できるだけ頭を後ろにそらせる、指をのどに突っこみ嘔吐刺激[おうとしげき]を加えるなどの方法があり、これで頻拍発作が止まることがあります。それで止まらず、自覚症状が強かったり、長時間にわたるときは、医師の治療を受けてください。

【心室性頻拍症】

心室から異常刺激が出て、心室筋が1分間に120〜150も興奮し、心室性の期外収縮(不整脈)が連続したかたちをとります。虚血性心疾患(心筋梗塞[しんきんこうそく])をはじめ重い心臓の病気の際に起こります。心室性頻拍は、心室細動に移行する可能性が高いため、すみやかに治療する必要があります。特に急性心筋梗塞で起こったときは、ただちに薬物や電気ショック(電気的除細動)*で止めなければなりません。

電気ショック(電気的除細動)

心室細動になると、心臓の筋肉は規則のない細かい電気的興奮に陥って、まったく無秩序となります。このとき、除細動器を用いて心臓に直流通電し、無秩序状態を解消して、規則正しい心臓の動きを回復させます。これは心室性頻拍や心房粗動、心房細動の場合にも用いられることがあります。