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子宮とともに卵巣を摘出するのは一般的なことか

子宮とともに卵巣を摘出するのは一般的なことかイメージ 50歳・女性です。子宮筋腫で、全摘手術の予定です。卵巣も一緒に取ると言われていますが、一般的なことでしょうか。ホルモンのバランスが崩れるのではないかと心配しています。卵巣を残す場合、どのようなリスクが考えられますか。

筋腫が大き過ぎなければ腹腔鏡下手術の選択が可能

最近の子宮筋腫による子宮全摘手術は、筋腫が成人の頭大以上の大きさであるか、何度も手術歴があるか、子宮内膜症などで腹腔内に激しい癒着が予想される患者さんが開腹手術の対象となります。それ以外は腹腔鏡(内視鏡の一種)を使用し、小さい傷で入院期間も短くて済む手術が可能になってきました。
当院の例を挙げると、子宮全摘の85〜90%は腹腔鏡下の手術になっており、入院期間も5?6日です。患者さんに比較的負担の少ない手術ですが、麻酔も使用し事故がまったく起こらないわけではないので、気楽に腹腔鏡下手術をしてよいということではありません。手術を回避できるなら、それに越したことはないでしょう。
子宮筋腫で全摘手術を受ける場合、閉経以前が多い
子宮筋腫の症状に対する薬物療法には、月経困難症に対するピルや、人工的に閉経状態をつくるGnRHa(ゴナドトロピン放出ホルモン作動薬)療法などがあります。ピルは長期服用が可能ですが、GnRHaは長期の服用をおすすめしません。服用が終わると再び筋腫が大きくなるので、一時的な治療法といえます。閉経が近い場合、人工的に閉経状態をつくる治療のあとに、自然閉経が起こればよいのですが、なかなかうまくいかないでしょう。
悪性腫瘍の疑いが否定できない場合を除き、子宮全摘の手術を受ける場合、以下の症状がある人が対象となります。
  1. 月経関連症状(月経困難症や月経過多症など)
  2. 筋腫の増大により周囲の臓器が圧迫され、尿漏れや尿が出にくい、
    または腰痛や便秘
などの症状がある 女性ホルモンが分泌されなくなり閉経になれば、月経関連症状はなくなります。筋腫自体も小さくなるので、症状が改善または消失します。子宮筋腫で手術を受けられる人の多くは、閉経以前であるといえます。
卵巣摘出のメリットは、卵巣腫瘍発生が皆無になること
卵巣も一緒に取る場合、急激にホルモンの分泌がなくなり、自然閉経による卵巣欠落症状(更年期症候群)よりも強い症状が出ることもあります。しかし、卵巣欠落症状は大なり小なり誰でも経験することなので、手術で卵巣を取ってしまうことがデメリットとは言い切れません。
一方、卵巣を取るメリットは、将来の卵巣腫瘍(悪性腫瘍も含む)の発生の心配がまったくなくなるということです。頻度は低くても、卵巣がんは早期発見でない限り経過の予測が簡単な病気ではありません。発症の心配がまったくなくなるということは、小さくないメリットといえます。
いずれにしても、主治医とよく相談され、納得のいく治療法を選択することが賢明だと思います。
近畿大学医学部附属病院産婦人科主任教授  星合 昊(ほしあい・ひろし)
(出典 : 保健同人社 「暮しと健康 2007年10月号」)
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